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森づくりと株式の長期投資

森づくりと株式の長期投資。一方は木を扱う世界、もう一方はお金を扱う世界。一寸見には全く似て非なるもののように思われますが、そのマネジメントの方法は驚くほどよく似ています。

森づくりでは山に好きな木の種や苗木を植えます。動物の食害がなければ木は時間の経過とともに成長します。不要木を除伐し、優良木を残す間伐を繰り返すと優良木だけのすばらしい森になります。木の種類によって成長スピードは異なりますが、ミズナラですと150年で樹高27メートル、直径55センチの大木に成長すると言われます。重さ10グラム程度のあのどんぐりが芽吹き、長い年月を重ね、木陰を作れるほどの大木に成長するのです。その成長力には驚かされます。こうした大木が覆う立派な森を作るのに、人の手はさほど必要ありません。水をあげなくても、肥料をあげなくても、自然(山の土、光、CO₂)と時間がすばらしい森を育ててくれます。

かたや株式の長期投資はどうでしょうか?イメージが湧きにくいと思うので、あなたがアメリカの代表的企業30社で構成される、ダウ平均株価指数(ダウ工業株30種平均)に連動するタイプの投信に投資していると想像してみてください。この株価指数の構成企業選抜のシステムは森づくりに似ています。構成企業が常に、森づくりでいえば“優良木”、で構成されるように、定期的に競合優位性を喪失した“不要木”を取り除き、競争優位性を有する“優良木”に入れ替えています。常に、“優良木”だけが残るように設計されたシステムのおかげでダウ平均株価指数はすばらしい成長を遂げています。1896年5月26日初値40.94ドルでスタートした同指数は、それから121年経過した今日(2017.11.24現在)23558ドルとなっています。121年の間に株価指数は574倍に成長したことになります。ダウ平均株価指数に連動する投信を保有する投資家にはさらに大きな報酬がもたらされます。投資家には構成企業が毎年還元する配当も分配されるからです。配当の再投資効果で資産は加速度的に増えます。同指数誕生時に同指数型の投信に100ドル投資していたらあなたの元手は10万ドル(税引き前)を超えていたはずです。あなたが何もしなくても指数を構成する企業が時間を味方に稼いでくれているのです。株式投資も森づくりくらいのタイムスパンで臨んだ方がうまくいきそうです。

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